My wish is... 第五話
「やっぱり長野って涼しいよね」
「東京とはぜんぜん違うね」
今日は早朝からMISACHIAの新曲『ココア』のMVの撮影のため長野県にある高原にきていた。
衣装に着替えて、スタッフさんが用意してくれた可愛いピクニックのシーンを撮る。
色違いなのに、私と千晃では雰囲気が全く違う。
けど千晃とお揃いの衣装はどこかくすぐったくて、いつもより自分を可愛く見せてくれるような気がした。
昔は自分を主張するために選ばれていた衣装も、今は二人が融和するように、二人で何かを表現するために選ばれた衣装に変わった。
それはきっと衣装に頼らなくても、私たち自身の個性だとか雰囲気だとかが伝わるようになったからかもしれない。
だから双子コーデをしても、私たちは私たちなりの着こなしができるようになったんだと思う。
「気持ちいいねぇ」
「やっぱりたまにはこういうところでのんびり過ごしたいよね」
「この前のタビフクの軽井沢もすごく気持ちよかったしね」
「今度はさ、プライベートで来たいね」
自転車に乗るシーンは何年ぶりだろう。
確か777の時にグアムでみんなで乗ったな。
「長野とかライブで昔来たよね」
「懐かしー。今度はMISACHIAツアーとかで来たいね」
「ホールツアーとかやれるようになるといいね」
「次歌うなら春っぽい曲が良くない?卒業とか別れとか」
「そうだねぇ、それか結婚ソングとか」
「結婚ソング?私たち結婚してないから結婚する友人に向けてとか?」
「いいねぇ、うちらのファンも20代とか30代の人も増えてきたし」
撮影の合間、私たちはグループのこと、MISACHIAのこと、そして私たちのことをいろいろ話した。
千晃とは出会って13年近く。
昔はぶつかることもたくさんあったし、口を利かないこともあった。
見た目も中身も正反対な私たちがわかりあうまでにはたくさん時間が必要だった。
だけどいつしかいなくてはならない存在になっていて、
今では男子メンバーと意見のやり取りをする際共闘することが多い、大事な戦友。
千晃とグループを飛び出して、MISACHIAというユニットができる日が来るなんて、
昔は想像もしていなかった。
そういう意味でも11年間AAAをあきらめずに続けてきたことは意味があったと最近よく思う。
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