Ｍy wish is...　　　第四話

AAA初となる大阪・東京二都市でのドーム公演は大阪公演2日目の開演が遅れるというトラブルがあったものの概ね成功を収めた。

内情は多少トラブルはあったし、改善すべき点もあった。

けれど、ファンの反応は前半のアリーナツアーに比べると雲泥の差で、

あのアリーナツアーでの反省点を改善し、まったく違う構成を組んだことが成功へと繋がったようで、スタッフから見せられたTwitterの反応はまずまずだった。

「終わったね」

誰ともなく拍手が起きた。

みんな笑顔で、ハイタッチをする。

にっしーと秀太が大声で何かを叫んでる。

二人ともテンションが高い。

そんな二人に日高君が加わり、リーダーが何かを喋って爆笑する。

真司郎がマイペースに水分補給し、千晃がにこにこと後に続く。

いつもと変わらない、いつもと同じライブ後の風景。

アリーナツアーの後に海外公演があり、本当に時間がない中での過密なスケジュールで、メンバーもスタッフも常に緊張状態が続ていた。

けれど一つ、また一つと公演が進むにつれてみんなが気持ちが一つになっていく。

最後の東京ドーム公演、今まで見た景色の中で一番きれいな光景が広がっていた。

それを見た瞬間、肩だけでなく全身に入っていた力がすっと抜けていくのを感じた。

あぁ一つ、階段を登れた。

AAAはまだ大丈夫。

そんな気がした。

まだこの先がある。

続いている。

AAAはまだ続けられる。

誰もがそう感じているような気がしていた。