My wish is... 　　第二話

『二人とも！来年の3月MISACHIAでツアーできることになったよ！』

千晃と二人で雑誌の仕事の後、スタッフさんの車で会社へ送り届けられた。

普段AAAのメンバーとの打ち合わせでも使う会議室に通されると、

そこにはここ最近私たち二人のMISACHIA名義の活動を支えてくれるスタッフが集まっていて、みんな興奮したような顔をしていた。

「これが会場！で、この日程で」

私たちが驚いていると資料が広げられたテーブルまで背中を押され、

みんなが本当に嬉しそうな顔で私たちを見ていた。

MISACHIAとして活動を始めてまだ半年。

最近二人だけの仕事もいくつか決まって、今日みたいに雑誌にも二人で呼ばれるようになった。

新しくMISACHIA名義の専用サイトもオープンしたり、去年はグループでCMにも出させてもらったゲーム『ぷよぷよクロニクル』の今年のイメージキャラクターに二人で就任することが決まっていた。

「ツアーまでにあと何曲か作らないといけないね。

今製作中の曲は1月発売で決定だし」

「年末は忙しい時期だけどツアーに向けて年末までに数曲仮でも作っとかないと」

「女の子二人だけだし、衣装とかも普段着れないようなのも作ってみたいよね」

「コンセプトや舞台構成なんかも年末までに決めて、1月からはそれに向けて動き出す予定だからとりあえず二人は次のミーティングまでにどんなライブにしたいのか考えて意見を上げて」

会社を後にしたあとも、興奮が冷めやらない私たちはその夜遅くまで二人で来年のライブのことをずっと話合い、12時を回ってもなかなか話が尽きることはなかった。

これは始まり。

やっと二人のユニットが動き始め、軌道に乗り出したのだと実感した夜だった。