My wish is... 第一話
ただこの先もずっとこの関係が続くと思っていた。
変わらない、そう願っていた。
ピピピッ
ピッピッピッ
枕元で目覚ましが鳴る。
手を伸ばし、アラームを止め時間を見ると朝の6時。
私にしては早い朝だ。
ベッドの上で体を伸ばし、目を覚ますためにカーテンを開けた。
窓の外は眩しいほどの光。
あぁ今日も暑くなりそうだ。
「おはようございます」
今朝は朝から雑誌の取材。
cancamの表紙と特集の撮影とインタビューの日で、都内某所のビルでの仕事だった。
撮影は順調に進み、
午前中にあらかたの撮影を終え、順次インタビューを受けた。
メンバーやスタッフの雰囲気もよく、終始和やかに取材は進んでいく。
「宇野さん、すごくいい表情ですね」
撮影されたサンプルが映る画面を覗くと、少し眩しそうに眼を細め笑う女がいた。
穏やかな、優しい笑顔。
あぁ今の私はこんな顔をしているのか。
私はこちらをニコニコと笑いながら見ているスタッフに笑顔でありがとうございますと返した。
自分でも驚くほど、最近心が穏やかだ。
それはきっと…
この夏私が一つの壁を乗り越えたからだと思う。
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